言語獲得への歩み⑥単語・二語文

息子が2歳0ヶ月のときからABA療育を開始し、マッチング・動作模倣・音声模倣・音声指示の訓練を行った後、息子が2歳6ヶ月になったときから、単語や二語文を話せるようにする取組みを始めました。
この取組みに入るまでの過程で何度もつまずきを見せた息子でしたが、この取組みについては順調で、結果的に、2歳台で機械的ながら二語文を話すことができるようになりました。
以下、息子の言葉獲得の経過(2歳台)と取組内容になります。

1.言葉獲得の経過(2歳台)

~2歳5ヶ月
・日常の取組みで以下の言葉を獲得。
「まんま」「りんご」「バナナ」「にんじん」「来て」「やって」「ちょうだい」

2歳6ヶ月
・新たに20の名詞を覚える。

2歳7ヶ月
・1つの言葉を覚えるのに要する時間が明らかに短くなり、言葉を教えれば教えるほど覚えていく。覚えた名詞は50を超える。
・動詞表出の取組みに入り、まずは、動作と結びつきやすい「パチパチしてる」、「バイバイしてる」 など計5つの動詞を話せるようになる。

2歳8ヶ月
・「振ってる」、「持ってる」などの動詞を20ほど覚える。

2歳9ヶ月
・二語文を話せるようにするための取組みに入る。
物+動詞(例 コップ持ってる)と人+動詞(例 パパ走ってる)の二語文を話せるようになる。

2歳10ヶ月
・要求の二語文が話せるようになる。
(ちょうだい、開けて、来て、取って、やって)

2歳11ヶ月
・動詞を増やすことに力を入れ、話すことができる動詞が40ほどに増えた。

2.取組内容

〇名詞
まずは、机の上に2つの物(例 りんごのサンプルと像のフィギュア)並べた状態で、そのどちらかの名前を言って、息子に名前を言った方を触らせるということを繰り返しながら息子に2つの物の名前の区別をさせる取組みを行いました
次に、上記の取組みによって名前を覚えたと思われる物について、「これ何?」と聞いた後に息子にその名前を答えさせる訓練をしました。
以上の取組によって、息子が新たに名詞を5つほど覚えた頃、物や建物などの写真をたくさん撮り、その写真を息子に見せて名詞を覚えさせていきました。写真で名詞を覚えさせ始めた頃、息子が興味を持っている食べ物や踏切などについては、それ以外の物と比べて明らかに早く覚えるということに気付いたので、最初のうちは、息子が興味を持ってそうなものを中心に名詞を覚えさせていきました。

〇動詞
実際に動作をしているところを息子に見せながら、「何してる?」と聞いて息子に「~してる」と答えさせる訓練をしました。
まずは、「パチパチしてる」や「バイバイしてる」 など動作と結びつきやすい言葉で訓練をし、息子が上手に答えられるようになってからは、毎日、以下のそれぞれの動詞について、その動作を一定時間継続しながら、「何してる?」と何度も息子に聞いては答えさせるといった訓練を行いました。

「振ってる」「持ってる」「切ってる」「立ってる」「走ってる」

上記の動詞について上手に答えられるようになった後も、この取組みを続け、息子が話せる動詞を増やしていきました。

〇二語文
【名詞+名詞】
息子が二語文を話せるようにするために最初に取り組んだのが、例えば、りんごとコップを机に並べて、「りんご、コップ」と指示して、2つの物を取らせるという訓練です。
息子は、2つの物あるいは3つの物を並べた状態から指示どおり2つの物を取ることはできるようになりましたが、机に4つ以上の物を並べた状態では、指示どおりに2つの物を取ることができるようになりませんでした。
理想は、テキストどおりこの訓練を続けながら、最終的に、名詞+名詞の二語文を習得させることでしたが、息子は停滞しそうだったので、先に、物+動詞や人+動詞の二語文を習得させようと方向転換しました。
ちなみに、息子が、「何がある?」(2つの物を見せながら)の質問に「〇と〇」と二語文で答えられるようになったのは、4歳台のときです。教え方については、息子が3歳のときから、日常で、時々、2つの物が並んでいる場面で、「〇と〇」と息子に言い聞かせた後にまねをさせるといったかたちで時間をかけて少しずつ教えていきました。
一般的には、まず名詞+名詞の二語文を習得させてから他の二語文の習得を目指すのかもしれませんが、息子の場合は、名詞+名詞よりも物+動詞や人+動詞の二語文の方が容易に習得できました。我が家では、動詞を理解させる取組みに力を入れ、毎日、しつこいくらいに1つずつ動作を見せながら息子にその動詞を答えさせるという取組みをしていましたので、そのことが効果的だったのかもしれません。息子を見ていると、動詞をしっかり理解させておけば、その前に人や物の名前をくっつけて二語文で話すことはそれほど難しくないように感じました。

【物+動詞】
息子に動作を見せながら、「何してる」と聞き、例えば、「コップ持ってる」などと二語文で答えさせる訓練をしました。物+動詞の二語文については、息子は、とても順調に習得ができました。

【人+動詞】
息子に動作を見せながら、「何してる」と聞き、例えば、「パパ走っている」などと二語文で答えさせる訓練をしました。人+動詞の二語文についても息子は、とても順調に習得ができました。

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