会話成立へ②ABAでの取組(質問の弁別 他)

会話成立へ向けて、ABA療育においてもいろいろな訓練を行いましたが、息子には、質問の弁別やYES NOの訓練が有効だったと感じています。
これらの訓練の中では、息子は、「これ何?」と「何色?」の質問の弁別に苦戦しましたので、この訓練の内容を中心に記事を書きたいと思います。

1.質問の弁別(「これ何?」「何色?」)
息子が3歳6ヶ月の頃から、テキストの方法で、「これ何?」と「何色?」の弁別についての取組みを1ヶ月ほど行いましたが、全く進展がなかったため、独自の方法で習得を目指すことにしました。
取組内容は、以下のとおりです。

(1)「何色?」の質問に確実に答えられるようにする。
〈Step1〉
まず、下の画像の紙(以下、「紙」という)を用意しました。
IMG_1319.JPG

そして、1色ずつ指差しながら、「何色?」(”色”のところを”い~ろ”と伸ばして強調)と質問し、息子が覚えている色名に”いろ”を付けて答えさせる訓練をしました。(例 青色:「何色?」と質問されたら、”青”に”いろ”を付けて”青いろ”と答える。)
すべての色について答えさせた後、最後に、紙を見せて「これは?」と質問し、「色」と答えさせるようにしていました。
息子は、予想していたとおり、黄色、茶色、水色については、「黄色いろ」、「茶色いろ」、「水色いろ」と答えていましたが、正答としてしっかりと褒めるようにしていました。

〈Step2〉
紙の青色を指差ししながら「何色?」と質問して「青色」と答えさせた直後に、青色のコップを見せて「何色?」と質問して「青色」と答えさせるようにしました。
最初のうちは、息子が「コップ色」と答えることがありましたので、Step1の取組みも継続して行うようにしていました。
青色のコップを使った質問に正しく答えられるようになったら、次は、紙の赤色を指差ししながら「何色?」と質問して「赤色」と答えさせた直後に、赤色のコップを見せて、「何色?」と質問して「赤色」と答えさせるようにしました。
赤色のコップを使った質問にも正しく答えられるようになった後は、いろいろな物を使って上記の訓練を行っていきました。
そして、最終的には、いきなり物を見せて、「何色?」と質問しても正しく答えられるように訓練をしました。

〈日常の取組み〉
日常でも、「何色?」という質問に慣れさせたいと思い、以下の取組みを行っていました。
・かたぬき絵本(乗り物・動物)を使い、「何色?」と質問するタイミングでいろいろな色紙をかたの後ろにあてて、色紙の色を答えさせた。
・絵本の読み聞かせのときに単色の絵について「何色?」と質問して答えさせた。
・スーパーなどで買い物をしているときに適当に品物を指差ししながら「何色?」と質問して答えさせた。
・運転中に助手席の息子に、「あの信号何色?」と質問して答えさせた。

(2)「これ何?」と「何色?」の質問の弁別ができるようにする。
いろいろな物を見せて、「何色?」と質問しても正しく答えられるようになったので、「これ何?」と「何色?」の質問の弁別ができるように訓練をしました。
まずは、「何色?」の質問をして答えさせるということを複数回行った後に、「これ何?」と質問を変え、物の名前を答えさせる方法と、逆に、「これ何?」の質問をして答えさせるということを複数回行った後に、「何色?」と質問を変え、色を答えさせる方法で訓練をしました。(ABAの時間だけでなく日常でもたくさん質問をして答えさせていました。)
上記の取組みで、質問への正答率が高くなってからは、「これ何?」と「何色?」の質問をランダムにして、息子に答えさせる訓練をしました。
結果的に、息子は、「これ何?」と「何色?」の弁別の取組みを開始して2ヶ月半ほどでようやくこの質問の弁別について習得をすることができました。

2.質問の弁別(「誰?」「どこ?」)
まず、トイレ、風呂、台所、玄関などで息子に、「誰?」か「どこ?」と質問して、正しく答えられるように訓練をしました。正しく答えられるようになったら、次は、それぞれの場所で私と妻のどちらかが写っている写真を用意して、それを見せながら、「誰?」か「どこ?」と質問して正しく答えられるように訓練をしました。
(最初のうちは、写真の正解の方を指差ししながら質問をしていました。)
息子は、この「誰?」と「どこ?」の質問の弁別については、とても順調に習得できました。

3.YES NO(「いる」「いらない」)
物を見せながら、「いる?」と質問し、必要な物であれば「いる」、要らない物であれば「いらない」と答えられるよう訓練をしました。
まずは、息子が好きな食べ物を見せながら「いる?」と質問して、「いる」と言わせてから、その食べ物をあげるようにしました。
そして、必要な物について「いる」と答えられるようなったら、次は、嫌いな食べ物を息子の口に近づけながら、「いる?」と質問して、息子が嫌がって顔を背けているときに「いらない」と言わせてから、その食べ物を口から遠ざけるようにしていました。
最後に、好きな食べ物と嫌いな食べ物をランダムに息子に見せて、「いる?」と質問し、息子が正しく答えられるように訓練をしました。
息子は、この訓練についても順調に習得できました。

4.YES NO(「うん」「違う」)
息子に、例えば、ぞうさんのフィギュアを見せながら、「これぞうさん?」と質問した場合は「うん」、「これみかん?」と質問した場合は「違う」と答えられるように訓練をしました。この訓練は、「いる」・「いらない」の訓練に比べると息子には、難度が高かったようですが、しばらくの間、先に答えを言ってあげてそれをまねさせ答えさせるということを繰り返していました。
この訓練は、主に日常でコツコツと続けていたところ、息子は、3歳10ヶ月になった頃からかなり正答率が高くなってきました。

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