日本とアメリカの小学校に通って感じたこと

自閉症の息子は、現在、小学1年生で特別支援学級(情緒クラス)に在籍しています。
息子は、社会性の障害が重いため、情緒クラスの中でも目立つ存在ですが、なんとか、1年生の1学期は、大きな問題を起こすことなく、夏休みを迎えることができました。
実は、私は、父親の仕事の都合で、幼稚園を卒園後、渡米し、小学1年生は、現地の小学校に通っていました。アメリカの小学校では、通常級に在籍はしていましたが、最初のうちは、英語が全く分からない状態だったので、週に何回かことばの教室に通うというかたちで支援を受けていました。
当時の私は、社会性はあるものの言葉(英語)がない子、今の息子は、一応言葉はあるものの社会性がない子です。どちらがしんどいのかよく分からないですが、お互いに小学1年生で支援を受けていたということで私は、息子のしんどさが少しは分かっているつもりです。時間はかかると思いますが、先生の支援をいただきながら親としても我慢強く支援していきたいと思っています。
さて、今回は、日本とアメリカの小学校に通ってみて、そして、息子が通う小学校の教科書やカリキュラムや行事等を見て感じたことを書いてみたいと思います。

〇日本の小学校の方が授業のレベルが高い

アメリカの小学1年のとき、算数の時間は、ほぼ1年中、足し算と引き算(授業と演習)ばかりやっていたと記憶しています。逆に、息子の教科書を見る限り、日本の1年生の算数では、足し算や引き算の他にも習うことがいろいろあり、アメリカに比べると足し算や引き算をより短期間で習得しなければいけないカリキュラムのようです。
また、小学2年の2学期に日本の小学校に編入したとき、漢字がなかなか覚えられなかったり、アメリカでは難しいと感じる科目がなかったのに、国語の問題が難しくてできなかったり(日本語の方が英語より明らかに難しい)と、学校の授業についていくのがたいへんでした。

〇日本の小学校の方が集団での活動がはるかに多い

アメリカの小学校では、行事がほとんどなかったです。今でも記憶に残っている唯一の行事が運動会(のようなもの)ですが、それも練習をして親に観てもらうものではなくて、子供たちで遊んで楽しむといったかんじのものでした。また、日々の学校生活でも授業以外で集団で何かをするといったものがほとんどなかったと記憶しています。
私が帰国したときに、運動会、発表会、遠足・・・など行事が多く、また、日々、給食当番、掃除など勉強以外でしなければいけないことが多くてたいへんと感じていたという記憶があります。

〇私が考える「そこで十分にやっていけるどうかの難易度」

上述したことなどから、自分なりに自閉症児がそこで十分にやっていけるかどうかの難易度について考えてみました。

日本の通常級>日本の情緒クラス(交流級)≧アメリカの通常級>息子≧日本の知的クラス

個人的な考えですが、日本では、通常級のレベルが高いだけに、昔はなかった情緒クラスが設置されたことで、多くの自閉症児が行き場を失わずにすんだのではないかと思います。少人数制で通常級と同じスピードで授業を進め、また、それぞれの生徒に合わせて通常級との交流を進めていく情緒クラスは、自閉症児の親にとっては、本当にありがたいクラスなのではないかと感じています。

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